写真報知

写真を駆使して世相を伝えた「旬刊写真報知」は、発行元の報知新聞社に、のちに銭形平次シリーズで一世を風靡した野村胡堂が報知新聞の編集顧問として在籍していたせいか、大衆小説をよく掲載していた。探偵小説的に特筆されるのは、1923年に「新青年」でデビューして間もない江戸川乱歩の創作活動の場となったことである。「新青年」以外で初めて短編を発表したが、『探偵小説四十年』では非常に優待されたと感謝している。